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2016.02.19

CiP協議会 ビジョン10か条

■CiPビジョン10か条 イラスト by ピョコタン
1. シリコンバレーとハリウッドの日本版融合
2. コスプレが集いロボットが飛び交う基地
3. 新産業創出の永久機関
4. 国際的大学と未来の幼稚園
5. クリエイターと起業家の同棲
6. 21世紀の出島
7. 毎日がワークショップコレクション
8. 産学官のプラットフォーム
9. 東西クールの交差点
10. 海と空の窓口

 

 
 
1.シリコンバレーとハリウッドの日本版融合概要
  デジタル×コンテンツのクラスターを形成します。



 50年前の東京オリンピックで、日本は復興と成長の姿を見せました。次に来るオリンピック・パラリンピックで、東京は、日本は、新しい姿を示したい。
 産業界が培ってきた技術力、ものづくり力というハード面。みんなが培ってきたポップカルチャーなどソフト面。その総合力が日本の資源です。これを活かしたい。
 閉塞感を打破したい。
 デジタルは宇宙、バイオ、ナノと並ぶフロンティア領域。IT=情報技術とコンテンツ=表現は、日本が総合力を発揮できる分野です。
 東京・竹芝をその集積地にします。技術、デザイン、産業、文化のクラスターを作ります。1.5haの都有地に、研究開発、人材育成、起業支援、ビジネスマッチングの機能を構築します。国内・海外の拠点とのハブにし、情報発信基地となります。
 だからといって、目指すはハリウッドやシリコンバレーではありません。ハリウッドやシリコンバレーは、アーティスト、ギーク、そしてビジネスエリートの集積。これに対し、日本の強みは、高度な技術力・表現力に加え、正確で勤勉な大勢の職人の存在、さらに、コミケ、ニコ動、カラオケ、コスプレ、ゆるキャラ、B級グルメなど、みんなが参加して生産し、消費される猥雑で混沌とした産業文化力です。これを活かし、増殖炉となります。

 

 
 
2.コスプレが集いロボットが飛び交う基地
  クールジャパンとIoTの発信拠点となります。



 マンガ、アニメ、ゲーム、J-Popに代表される日本の表現文化は、世界のポップカルチャーの一翼を担っています。そして、マルチスクリーン、クラウド、ソーシャルという「スマート化」の波がビジネスを刷新しています。
 コンテンツは地球規模の事業になり、アニメの海外配信、音楽のライブ展開、放送番組の輸出、食やファッションとの連携も注目されています。ソーシャルサービスに参加型コミュニティが形成されて、みんながコンテンツを生み出しています。
 さらにメディアは進化します。もはやスマートの次の幕が開きました。デバイスは解体されてウェアラブルに変身します。IoTが一般化して、クルマも家電もロボットも、全てのモノがメディアになって交信します。
 5G通信網の上でビッグデータが共有され、人工知能が組み込まれて、人を上回る仕事をネットワークがこなします。街のどこにいても情報が目の前を行き交うユビキタス環境となります。それはメディアが細密に埋め込まれたエコで安全な情報都市を設計することでもあります。
 たいていのモノはスマホでシェアします。教育のかなりの部分がコンテンツ化し、医療の一部分がデジタル化されます。2020年代には、eコマースは数十兆円規模となり、年20兆円にのぼる教育費の1/5程度もデジタル市場になるのではないでしょうか。
 CiPはそうした2020年代のデバイス、ネットワーク、サービスをプロデュースします。

 

 
 
3.新産業創出の永久機関
  技術、デザイン、教育、ビジネスを結合します。



 Cコンテンツ、iイノベーション、Pプログラム。CiPは、デジタルとコンテンツの産業集積地を構築します。表現と技術で社会を革新する。言い換えると、Cクリエイティブ、iイノベーティブ、Pポップ。内外から資源を集め、集中投下し、産業文化を生産・発信します。
 機能は4つ。1) 研究開発、2) 人材育成、3) 起業支援、4) ビジネスマッチング。技術を生み出し、人を育てて、それを産業として押し出し、世界にビジネスを広げる。そこから生まれたテーマを研究する。そのサイクルを描きます。
 開発から育成、産業化までを一気通貫で行います。日本で成功したモデルは存じません。だから挑戦です。軍事技術の研究から発生したインターネットがネットビジネスを生みました。70年代にMITが開発したゲーム技術が日本のゲーム産業を生みました。
 アメリカは大学が存在感を発揮しています。Googleはスタンフォード大学が生み、facebookはハーバード大学から現れました。日本も、学に発動させたい。産官学が集う拠点を作ります。
 研究者、デザイナー、クリエイター、起業家、経営者、オタク。多彩なバックグラウンドを持つ内外の人たちが集う磁場となります。

 

 
 
4.国際的大学と未来の幼稚園
  次世代研究と創作系教育の基盤を整えます。



 街開きの前から研究プロジェクトを走らせます。メディア融合、アーティストコモンズ、超人スポーツ、映像アーカイブ、次世代デジタルサイネージ、IoT放送、IT政策。技術開発だけでなく、ビジネスモデル、教育法開発など多様なプランがあります。理系の案件に加え、法律、経済、デザインその他広範なジャンルのかたがたに協力いただきます。
 中核として、慶應義塾大学メディアデザイン研究科(KMD)が竹芝に拠点を置く計画です。スタンフォード大学にも参加を期待します。国内・海外の有力な大学・研究機関との共同研究を進めます。世界的なオタク系研究所を作るアイディアもあります。
 人材育成・教育面でも、大学・専門学校と連携して、プロのクリエイターやプロデューサーを育成します。例えば、文部科学省「マンガ・アニメ人材育成事業」の受け皿として機能し、さらに音楽、ゲームその他のコンテンツ領域にも広げていきます。
 高等教育だけではありません。子どもの表現力・創造力の高さが日本ポップカルチャーを下支えしています。NPO「CANVAS」によるプログラミング教育など子どものデジタル力を高める活動や、「デジタル教科書教材協議会」(DiTT)が手がける「未来の教室」の設計などと連動して、初等教育からコンテンツ人材を育成していきます。

 

 
 
5.クリエイターと起業家の同棲
  起業支援とビジネスマッチングに注力します。



 CiPは業界横断のコミュニティです。情報交換や連携活動を通じたビジネスの生成が本来期待されるアウトプット。まずはそのコミュニティ機能を活発にします。
 その上で、起業支援プログラムを形成し、資金の出し手と起業家とのマッチングを行います。START ME UP AWARDS等の活動と結びつき、CiPならではのコンテンツやIT分野の投資環境を整えます。自らファンドを組成するプランも具体化します。既に官民さまざまな投資機関、VC、金融機関、エンジェル等との協議を進めています。
 ビジネス交流でも、サロンやイベント、分科会などでの仲介・あっせんだけでなく、共同事業の創出も手がけます。現在、日本動画協会が中心となってアニメ業界と他の業界とのマッチング策を進めており、こうした活動とも連動していきます。「クールジャパン官民連携プラットフォーム」の一翼も担いたいと考えます。

 

 
 
6.21世紀の出島
  国家戦略特区として禁じられた遊びを奏でます。



 竹芝地区は「国家戦略特区」として既に内閣総理大臣の認定を受けています。CiPはその具体的な構想を描き、具現化します。この際、これまで禁じられていた仕事を先導的に組み込んでいきましょう。ここしかできないこと、をやってしまいましょう。
 例えば電波特区として、通信・放送融合実験ができないだろうか。著作権特区として、この場であれば蓄積・公開できるアーカイブやマーケットができないか。サイネージ特区として、屋外表示規制を解除し、区域一面を占める映像表現ができないか。ドローン特区での大規模レース、ロボット特区での自動運行、超人スポーツ特区でのサイボーグ対戦。全て実施したい。
 学校じゃ禁止されるデバイスを使ったウルトラ英才クラスが開かれる。給食当番や掃除当番は自律ロボットが担当する。免許がないけどエアカーに乗っていい。海面を巨大なスクリーンにした映画祭が開かれる。等身大のガンダムが水上を飛んでいる。
 投資を促す税制措置、優秀な人材を世界から惹きつけるビザの特例もあるでしょう。レバ刺し特区、カジノ特区はどうか。サンフランシスコのゲイ・パレードのようなハレ空間特区もアリかも。ビルの一角を某国に借り上げてもらい治外法権とする、なんてのはどうでしょう。
 アイディアを募り、実現させましょう。

 

 
 
7.毎日がワークショップコレクション
  創作フェア、ハッカソン、マーケットの常設会場です。



 研究開発、人材育成、起業支援、ビジネスマッチングの一気通貫サイクル。とは言えCiPが目指すものは、秩序だったクリーンな場ではありません。もっとこう、血と肉と、音楽と、もうもうとしたテンションが凝縮したカルチェ。
 MITメディアラボのような梁山泊、ワークショップコレクションのような創作活動の集積、500 Startupsのような起業エコシステム、ニコニコ超会議やコミケのような異種格闘技リング、それらが一体となって、毎日、市が開かれている、そんなところです。
 ソウルのCKLみたいな研究教育拠点があって、フランクフルトのECBのようにカネを握っていて、カサブランカのマルシェのように混沌で、バルセロナの海辺のように水しぶきが上がって、ブエノスアイレス・カミニートのように音楽とダンスが常にある。そんなところです。
 ミラノ・モンテナポレオーネのようにシュッとした男女が闊歩して、シンガポールのように政府が本気で、パリ・ラビレットのように子どもたちが駆け回り、京都・先斗町のように絶品のメシと酒があって、そして、Big Hero 6 サンフランソーキョーのように西海岸と東京が混ざったようなクリエイティビティにあふれる区域。そんなところです。

 

 
 
8.産学官のプラットフォーム
  政府・自治体との連携を進めます。



 CiPは民間の産学連携プロジェクト。でも政官と強く結びつく点が一つの特徴です。政府・自治体と連携します。特に国家戦略特区として機能を発揮するため、政府に知恵とアイディアを寄せてプロジェクトを遂行したい。
 内閣官房がとりまとめた「クールジャパン戦略官民協働イニシアティブ」でもCiP構想はコンテンツ分野を担うプロジェクトとして明記されており、これを受けて設置された「クールジャパン官民連携プラットフォーム」でも活躍したいと考えています。
 総務省が2020年に向けて計画するデジタルサイネージなどのICT整備に関しても竹芝・CiPが先行区域として認識されています。経産省とはコンテンツ産業の基盤整備策を練っています。国の関連研究所にも竹芝に来てもらいたい。
 地方自治体とも連携します。都市再開発の主体である東京都はもちろん、コンテンツに力を入れる京都府などとの協働を進めます。

 

 
 
9.東西クールの交差点
  国内・海外の主要都市とのハブになります。



 東京の各地域をつなぐハブになりたい。渋谷でも品川でも、再開発が待っています。秋葉原、新宿、赤坂、六本木。音楽、ファッション、アニメ、ゲーム、広告、テレビ。集積があります。五輪に向けて開発も進みます。みなデジタルがポイントです。それらをみなつなぎたい。
 全国のハブになりたい。コンテンツ特区の札幌、映画・マンガ・アニメ・ゲームが集積する京都、音楽とゲームに強い福岡、国際映画祭を擁する沖縄、その他いろんな町を連結したい。
 世界の有力都市を結びたい。ボストンや西海岸の大学。ロンドンの研究所やパリのイベント。シンガポールのプロジェクト、ソウルのインキュベーション施設。全てを連結したい。
 CiPに来ればみんなとつながる。そんな街にします。

 

 
 
10.海と空の窓口
  東京湾・島しょと羽田空港、その立地を活かします。



 目の前は東京湾が広がります。伊豆諸島や小笠原諸島と行き来するふ頭、そのデッキからはレインボーブリッジの夜景を臨みます。
 東京は、海を持つ首都。アメリカも、イギリスも、フランスも、ドイツも、イタリアも、インドも、ロシアも、中国も、韓国も、首都に海はありません。東京は、港と、水辺と、海面とを活かしましょう。
 そして空。ますます機能を増強する羽田空港から、海外のお客さまが浜松町駅に降り立ちます。おもてなしします。
 東京タワーから反対側、海の方向に伸びる歩行者デッキは、いつも屋台で賑わっていたい。そこにCiPの再開発ビルが建ちます。
 1.5haの都有地に39階の業務棟を建設し、ラボや教室、ホール、スタジオといった8,000㎡の共同施設を設けます。イベントスペース「産業貿易センター」も存続します。オフィスはその上に置かれます。
 街区の完成は2019年度。東京オリンピック・パラリンピック開幕の頃には、内外のプレイヤーを集結し、国際的な拠点として注目を集める場としたいと思います。

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